アメリカ教育の多様性と柔軟性
教室で隣に座っている子が同じ年齢とは限らない
日本とアメリカの教育の大きな違いの一つが「柔軟性」。アメリカには各自の望むレベルの教育を提供する仕組みがあります。飛び級はもちろん、スポーツで体格的なアドバンテージを得るために学年を落とすケースも最近よく聞きます。
実際、息子の野球仲間はかなりの人数がこの「hold back」や「repeat」と呼ばれる仕組みを使って、学年を落としています。日本では、学年を上げたり下げたりというのは仕組みとしてなかなか整っていないのが現状です。アメリカでは隣に座っている子が同じ年とは限らない、という環境が多様性を促進する一因にもなっています。
生まれつき高い知能の持ち主や学習が進んでいる子用に、公立校でもギフテッドプログラムが用意されています。カリフォルニアではGATE(ゲート)というプログラムがありますが、残念なことに昨今は予算不足のためあまり中身が充実していないのが実態です。
ギフテッドプログラム
著名人も参加していたジョンズホプキンス大学の Center for Talented Youth (CTY) プログラム
そこで、学校区が提供するプログラム以外に目を向けてみると、
医学の名門大学ジョンズホプキンス大学が提供している Center for Talented Youth (CTY) プログラムというものがあります。学力の高い生徒向けにアドバンスのオンライン授業やサマープログラムを実施しています。指定テストで規定のスコアをパスするとメンバーとして認められ授業が取れるようになるもので、うちの息子も3年生の時にメンバーになることができました。
テスト内容はLanguage Arts (英語)とMathで、2~3学年ぐらい上の内容が出ますので対策が必要になります。テストは2教科受けないといけませんが、どちらかの教科で基準をパスできればメンバーになることができます。
ギフテッドプログラムの中には、高いIQがないといくら勉強をしてもメンバーにはなれないものももちろんありますが、このプログラムは「知能テスト」ではありません。2~3学年学習が先に進んでいる子(または進めたいと思っている子)であれば挑戦し甲斐のあるものです。
アメリカの場合、国指定の教科書があるわけではなく、多くの場合先生が用意したプリントをちょこちょこ授業中にやる程度で、学力をしっかりとつけるという意味では少なからず不安が残ります。そこで、もっと学業に力を入れたいご家庭では、塾や民間の学習プログラムを活用することが必要になってきます。
CTYは広く認められているプログラムで、旧Facebookのザッカーバーグ氏やレディガガさんもメンバーだったことは有名です。
晴れてメンバーになったからといってオンライン授業を取らなければいけないわけではありません。メンバー資格だけであれば、登録料とテスト費用で$100から$150ぐらいですみます。オンライン授業は$700から数千ドルと高額なので、ご家庭のご希望に合わせて、という感じになると思います。
サマーキャンプも高額なのですが、いろいろな国から集まってきたギフテッドの子供たちと切磋琢磨しながら勉強ができるプログラムとして人気があります。メンバーしか参加資格がありませんので、誰でも参加できるサマープログラムとは一線を画していると思います。
CTYをおすすめする理由は、上記以外にもあります。
CTYにご興味のある方はお問合せフォームからご連絡ください。学習計画を策定します。
The Asahi Shimbun GLOBE