ギフテッドプログラムCTYの最高峰
前回書いたジョンズポプキンス大学という医学の名門大学が提供しているギフテッドプログラムCenter for Talented Youth (CTY)の中でも「ギフテッド中のギフテッド」と言われているカテゴリーが “Study of Exceptional Talent (SET)” 。
13歳以下でSATというアメリカの大学受験用のテストを受験して、800点満点中700点以上を取ることが条件です。正確には・・・条件でした。というのも、昨年条件が改定され、以前は「13歳以下で700点以上」とシンプルなくくりだったのが、今は学年ごとに(年齢ではなく)条件が改定されています。詳細は、CTYのページに記載がありますのでご参照ください。
これに認定されると何が良いかというと、特別な才能を持ったその子に応じたコンサルティングが受けられるということだったのですが、実はこの中身も見直し中のようで、何度か問い合わせたのですが、まだ確定しておらずサービスの詳細はまだ良くわかりません。
これまでは、
- 通常メンバー CTY Level
- アドバンス High Honors
- さらなるアドバンス Grand Honors
- 最高峰 SET
というカテゴリーだったのですが、現在は Grand Honors / SET と2つがくっついているようです。
いずれにしても、高みを目指してみようという方は、ぜひチャレンジしてみたらよいと思います。やみくもに先取り学習をおすすめしているわけではありませんが、子供にとっても高みを目指して学習するというのは良いモチベーションになります。
勉強法や受験手順
あくまで一例として、我が家の受験ケース、勉強法や受験手順を以下ご紹介します。
勉強法
SATは高校生が大学受験のために受けるものなので、13歳以下の息子には英語の語彙や読解問題は手強すぎると感じました。感情の機微に関する理解力、高度な語彙などは、年齢相応についていくものであって、我が家の場合はその点特段習熟していたわけではありませんので、Mathで目標点をめざすことにしました。SATのMathに関しては、日本の受験問題のような「難問」はありません。データを読み解く問題などは長めの文章題がありますが、難易度は高くないと思います。試験範囲には、三角関数(サイン・コサイン・タンジェント)が少し出ますが、満点を目指すわけではないのでそこまで出来なくても大丈夫です。
College Board (SATを管轄している団体)がサンプル過去問を出していますので、まずはそれに目を通して計画をたてれば良いと思います。そして、SATの問題集はたくさん出回っているので、一番やりやすい問題集を選んでやってみてください。うちは、Princeton Reviewの問題集が使いやすかったです。現在はSATの中身も変わってきているので(英語読解が短くなった等)、最新版をお使いください。
Mathの勉強法ですが、前述の通り「難問」はありません。Mathが得意であれば、低学年のうちからすこしづつ先取り学習を進めていけばよいと思います。例えばアメリカの場合、分数であれば2年生で導入があり、3年、4年、5年と上がるにつれて四則計算、小数との変換といった具合に段階を踏んでいきますので、今の学年の学習内容を十分理解しているようであれば少し先まで進めてやる、理解が追いつかないようになったらまたステップバック、と言った具合に、3歩進んで2歩下がるイメージで徐々に先取りを進めていきます。
ここで大変なのは、学校の課題以外に追加の学習が必要、という点です。我が家の場合も、「超」がつくほど忙しくやっていた野球や 新たに始めたディベートなどの課外活動のすきま時間にどれだけ取り組めるかという点でした。当時は、往復3時間かけて強豪チームの野球の練習に行っていましたし、学校も家から遠いし、ディベートも大会前は毎日のように先生とオンライン授業がありました。しかし、課外活動は人格形成に非常に重要だと思いますので、すきま時間を見つけながらやっていくしかありません。何より、期日の決まった受験ではありませんので、根詰める必要はなく、プラスアルファでやっている気楽さで取り組めば良いと思います。
でも、親御さんが先取り学習の手助けをしてあげるにしても、忙しくてコンスタントに相手をしてやれない、親子だとすぐ喧嘩になる!など(笑)、家庭学習は色々と苦労が多いものです。ぜひ、スタディバディの先生を指導役に使ってみてください。
受験手続きーカレッジボードのアカウント作成ー
SATを受けるには、College Board というSATを管轄している団体のサイトにアカウントを作成する必要があります。しかし、13歳未満は規定上オンラインではアカウントが作れず郵送手続きが必要とのことですので、郵送で申し込みをします。
晴れてアカウントが開けられたら、あとはウェブサイトからテスト日やテスト会場を選んで支払いをすれば登録完了です。受験料は$70弱ぐらいです。受験会場はたくさんあり、好きに選べるので、我が家から30分ほどの高校を選択しました。
受験当日
当日、試験会場に行ってみると、周りにいるのは大学受験用にSATを受ける高校生ばかり。そこに交じった12歳の息子はひときわ小さく見え、周りから不審がられるんじゃないかと心配しました。教室に入るにあたり、身分証明書と受験票を提示してチェックを受けます。一応遠くから見守っていましたが、無事教室に入っていけたので一安心です。結局教室では「きみ何歳なの?」と一人に聞かれただけだったようです。
起き抜けのパジャマみたいな格好で、鉛筆と受験票だけ持ってサンダルで歩いている子もいました(笑)。
試験はMathだけ受けるというわけにはいかないので、合計3時間以上のテストになります。
テストを終えて出てきた息子は、「疲れたー。英語は難しかった。Mathは、うーん・・・できたような気がするけど」との感想でした。
スコアは後日 College Board の自分のアカウントにアップされます。
結果は・・・
結果、Mathはなんとか目標点に到達していました。英語は全く勉強していませんでしたが、もうちょっとは取れるんじゃないのかな?と感じるレベルでしたね(笑)。ま、目標は達成したので Great Jobです。
スコアをCTYに提出すると、 後日(何か月もあとになってですが)、メダルと表彰状が自宅に送られてきました。年に一度授賞式もあるのですが、コロナの影響からオンラインに変わってしまったようです。
以上が体験記になります。もし、Mathが得意だ、英語が得意だ、ギフテッドの素養がありそうだ、そんなお子様はチャレンジしてみてください。目標点に到達しなかったとしても、先取りで学習した事は決して無駄にはなりませんし、将来的にSATを受ける際にも役立つと思います。
そのあなたのチャレンジに、スタディバディの先生を指導役に選んでもらえれば幸いです。
担当講師:在米又は早慶等トップレベルの帰国子女講師又は代表リア(一橋大学法卒)
授業料:入会費(初回のみ)$50、各教科月額 $180 (原則週1回50分×4回)
※お一人おひとりに丁寧な授業を行っていますので万が一空き枠がない場合はご了承ください。ご相談の上スケジュールを調整しますので、お問合せフォームよりご連絡ください。